枯れ木に花は咲かない

 抜け穴

一歩踏み出せないダメな自分が居て どこか今の現状に妥協している部分がある ダメな自分ってわかっているのに後の事を考えて バカになれずぶつかることができない ただ声をかけるだけ ただ声をかけるだけなのに どうしてこうもへなちょこなんだろう そんな自…

優しい言葉を掛けないで 温かい眼差しを向けないで

どうしてこんなにも愚かなのだろう どうしてこんなにも浅はかなのだろう 真実と思っていたものも 偶像の中の思い込み・・・? それを言ってしまったらおかしくなるだけなのに そう考えてしまうのは水面をただ漂っているだけだから 道に迷ったら手を差し伸べ…

貴方に ありがとう と云いたくて 全てのものに さよなら と言いたい それが出来ればどんなにいいか どんなに晴れることか いつの間にか嘘で塗り固めた私を 貴方の眼にはどんな風に映るのだろう どんな言葉を掛けてくれるのだろう 貴方に ありがとう と云いた…

この声が届くようにと想い、伝えるすべを考え、悩み、諦める人が居る この気持ちに半信半疑のまま、だけど信じたくて それでも疑いをかけて悩み続ける人が居る ただ切なさを身に纏う 苦しく悲しい反面、どこか楽しい 耳を堅く閉ざしている人が居る それは自…

 流れ

雨の流れに沿って 木が空を仰ぐのに沿って 空が色を変えるのに沿って 草や花が手をたたくのに沿って 雲が形を変えて歩くのに沿って 見たもの聞いたもの感じたもの 全てを身体全身に廻らせて 歩む 行く手には様々なドア 一度入れば鍵を手に入れるまで出られな…

 みぞ 

埋めるのがあの人、私も一緒に埋める 跨ぐのが君、私は此処で待つ 花を植えるのが彼、私は水をあげる 水を満たし魚を放つのがこの人、私は餌を与える 橋を渡すのが彼女、私は落ちないように固定する 深く掘るのが隣人、私は埋めようとも関わろうともしない

軽やかにおどる人がいる 足が縺れたたずむ人がいる 互いに憎しみ合い顔を背ける人がいる 手を取り合い頬笑み合う人がいる その場を楽しむ人がいる 外を眺める人がいる ここに居る大勢の中で自分はどこに居るか探す人がいる 足取りの軽い人? たたずむ人?背…

風が叫んでいる それが明の叫びなのか暗の叫びなのか 夏の訪れを告げる声なのか狭い中に居る私を嘲る声なのか この空模様は私を突き放しているのか 腕を広げているのか 一日が過ぎて静まった声 短時間で思いを巡らせたときよりも簡単に応えが出た 風の叫ぶ声…